6月12日、韓国の国家健康保険機関であるNHISの健康保険研究所(HIRI)の研究メンバーが文京根津クリニックを訪問しました。彼らは、韓国における在宅医療と介護保険の制度立ち上げの研究を進めており、今回の訪問はその一環として行われました。

韓国の出生率は0.72(ソウルは0.55、2024年データ)と日本以上に低く、少子高齢化が進行しています。これに対して在宅医療の必要性が増しているものの、韓国ではまだ制度が整っておらず、日本のようなケアマネジャー制度も確立されていません。このような状況で、在宅医療先進国である日本の医療介護制度の調査は大変重要であるとHIRIの皆さんは認識されていました。

今回の訪問は、東京医科歯科大学の特任教授であり、当院の非常勤医師でもある木村琢磨先生の依頼によって実現しました。HIRIのメンバーとは、日本の在宅医療制度、介護保険制度、訪問診療の現状について情報交換を行いました。また、当院が積極的に進める訪問診療現場におけるDX化についても大変関心を寄せ、文京根津クリニック自力開発の「BNKドライバー」や「BNK栄養士」といったアプリケーションも紹介しました。

「BNKドライバー」は往診車およびスタッフのリアルタイム状況を把握するアプリで、訪問診療の効率化と安全性を高めるために開発しました。又「BNK栄養士」は、AI技術を活用し患者の栄養管理を支援するアプリです。これらのITツールは、訪問診療の現場で大変有用であり、韓国の研究者たちにとっても参考になるものでした。

日本の介護保険制度は、2000年にドイツの制度を参考にして作られ、今では世界でも高い評価を受けています。一方、韓国は制度の立ち上げ段階であり、日本の経験が大変参考になるとの事でした。今回の訪問を通じて、日本と韓国の在宅医療に関する協力が進展し、より良い医療サービスの提供につながることを願っています。

文京根津クリニックは、地域医療に貢献しつつ、国際的な連携を通じて在宅医療の発展に寄与したいと考えています。今回の訪問が、その第一歩となり、今後もアジアの医療従事者が協力して在宅医療の未来を切り拓くことを願っています。  

韓国国家健康保険研究所(HIRI)の研究メンバーが当院を訪問

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