総合診療医とは新しく日本専門医機構により策定された専門医で、臓器別の医師とは違い、全人的な視点から患者様と家族や地域などの問題に取り組むプライマリケアを専門としています。症状がはっきりしない段階から幅広く相談を受け、複数疾患や服薬管理、生活背景・社会資源の活用まで含めて調整できるのが特⾧です。家庭や地域まで診ていくことが得意ですので、在宅医療を専門とする科とも言えます。必要に応じて適切な専門科へ橋渡しを行う“総合的な窓口”の役割も担います。

イギリスでは約30％の医師が総合診療医（General Practitioner）として働いており、欧米ではメジャーな科となっています。病気やけがの時に最初に受診する医療機関として機能し、医療費抑制や患者負担軽減にも寄与しています。日本では臓器別医療が発達したことで認知度はまだ高くありませんが、高齢化の進展とともに在宅医療やクリニックなどのプライマリケアを担う中心的存在として、総合診療医への期待は確実に高まっています。

当院では総合診療科医師が複数在籍していますので、より質の高いプライマリケアの提供が可能となっています。訪問診療や急変時対応、多職種（看護師・ケアマネジャー・薬剤師等）とのカンファレンスを通じたチーム医療を実践し、患者様とご家族が安心して暮らせるよう、切れ目のないサポート体制を整えています。